MISIA & Erykah Badu feat. “Love The Earth”

日本では50年ぶりの万国博覧会となった「愛・地球博」。日本代表の女性シンガーとして選ばれたMISIAが世界を相手にパフォーマンスをみせた一夜限りのスペシャル・ライヴ。更に、MISIAがリスペクトしているあのエリカ・バドゥとの競演も実現した夢のようなステージ!

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2005/3/31 愛知 愛・地球博 EXPOドーム

Live Report

日本では50年ぶりの万国博覧会となった「愛・地球博」。日本代表の女性シンガーとして選ばれたMISIAが世界を相手にパフォーマンスをみせた一夜限りのスペシャル・ライヴ。更に、MISIAがリスペクトしているあのエリカ・バドゥとの競演も実現した夢のようなステージ!

LIVE REPORT
競演のキッカケとなったのは、アルバム『MARS & ROSES』に収録されている『赤い命 feat. Erykah Badu』。MISIAはNYレコーディング中に、エリカのスタジオを訪ねてこの曲について説明。エリカは平和への願いが込められた歌詞に賛同して、コーラスとして参加してくれることになったのだ。今回「愛・地球博」のテーマは「自然の叡智」。イメージにピッタリなこの曲で是非エリカに参加してほしいという希望が叶い、夢のような話が実現した。この曲は、まさにMISIAとエリカと結び付ける運命的な一曲、そしてMISIAが世界を相手に羽ばたくキッカケの曲になったといえる。
ツアー終了後まもなくMISIAはバンドとともに万博ライヴのリハーサルに入った。万博という特別な場所で歴史に残るライヴをしたいという想い、エリカ・バドゥとの競演に対する期待で、誰よりも気合が入っているように見えた。エリカとは2年ぶりの再会ということで、はじめスタジオには緊張感が漂っていたが、いざ始まってみると二人の息はピッタリ。MISIAは英語で積極的にコミュニケーションを取り、“フィーリング”を共通言語にミュージシャンとして対等に渡り合う。その堂々ぶりに、まわりで見ていたスタッフにも思わず笑顔がこぼれた。
3月31日「MISIA & Erykah Badu feat."Love TheEarth"」の会場となるEXPOドームには約2,000人のファンが歴史的なライヴを見ようと全国から集まった。そして肌寒い天候の中、そんな寒さを吹き飛ばすかのような熱いパフォーマンスが繰り広げられたのである。
エリカ・バドゥの個性的で神秘的とも言えるステージで幕を開けた後、ついに日本の歌姫MISIAが登場。『BELIEVE』をはじめ『めくばせのブルース』や『The Best Of Time』といったツアーとは一味違う選曲で観客を魅了した。そしてMISIAが代表曲『Everything』を歌い終えるとバンド演奏が一転してエリカバージョンの『Everything』へ。MISIAがずっと憧れていたシンガー、エリカ・バドゥを自らがステージに呼び込み、同じステージに立って堂々と歌う姿は実に感慨深いものがあった。
そしてクライマックスの『赤い命』。この曲を紹介する際に、MISIAは「愛・地球博」のテーマであるエコロジーとテクノロジーの共存が現代社会にいかに重要なことかということについて考えを述べ、「音楽もまた自然から生まれたものであり、自然を愛することは全ての文化を愛することにつながる、私はシンガーとして自然を愛する気持ちを音楽で伝えていきたい」という気持ちを丁寧な言葉で語ってくれた。それは『赤い命』という曲に説得力を与え、エリカの「大地の母」を感じさせる歌声が重なり、国境を越えたスケールの大きい歌になって我々の心に響いてきた。特に、最後のアドリブパートでは二人のバイブが頂点へ。渾身の力を込めたMISIAの凄いアドリブが次々にとびだし、まさに鳥肌もの。「どんな風に歌ったかも覚えていないくらい興奮していた」と興奮冷めやらぬまま、終演後エリカと抱き合うMISIA。そこには、またひとつシンガーとして大きな一歩を踏み出したMISIAの満足感に満ちた姿がうかがえた。