4. What A Wonderful World by Louis Armstrong

 温かで平和なメッセージを持つこの楽曲。ただ、一見、とても柔らかな楽曲なのに、歌うときに涙がこぼれそうになる…。その根底にあるものは何なのかなってずっと思っていました。

 この歌が世に発表されたのは、ベトナム戦争が激化していた時代。決して"WHAT A WONDERFUL WORLD"と言えないときに、あえて"WHAT A WONDERFUL WORLD"と歌っていたんですね。きっと、心から"WHAT A WONDERFUL WORLD"と言える世界を夢見て、強く願いながら歌ったんだろうなと思うと、この優しい曲を歌うとき、泣きたくなるの理由が分かるような気がしました。

 体温とハートビートを感じる音にしたくて、トラックはシンプルにピアノ中心でフリーテンポで歌いました。今回、改めて歌って感じたことですが、"すばらしい世界"は、素晴らしい世界を目指そうという想いがなければ実現出来ないことだと思います。被災地ではあれほどの打撃を受けながらも草木が芽吹いたり、人々は自然とともにまた新たな一歩を踏み出しているという話を聞くと、"再生する力"、手を取り合い、そして何度も立ち上がろうとする力は、何て尊く、強く、素晴らしいのだろうと感じました。私たちが『What AWonderful World』と感じる世界を作っていきたいし、繋げていきたい。そんな想いで、この曲を歌いました。