MISIAの森-Forest Covers

smile 制作秘話

『Smile』は、チャーリー・チャップリンの映画『Modern Times』の中にかかる曲で、チャップリン作曲です。チャップリンの作品は、小さな頃から大好きで、今でもDVDはすべて持っているくらい。後に『Smile』のメロディに歌詞が付きナット・キング・コールが歌い、歌も有名になりました。前回のツアーのとき、ちょうどナット・キング・コールの曲をサンプリングして、JPと一緒に歌っていたりしたんですね。その後、デイヴィッド・フォスターさんのライヴで、娘のナタリーさんとお会いしたりして……。その直後にこの主題歌の話しをいただいたので、すごい巡り合わせだなって、ビックリしました。

 チャップリンは苦境の中に生きていながら、それでも笑顔というものを通して、社会的なメッセージを伝えてきた人じゃないですか。その人が作った『Smile』というメロディを、深い部分できちんと理解して作られた歌詞だと思うんです。今回、私が歌うことになって、あらためてしっかりとこのメロディ、そして歌詞と向き合いました。

 この楽曲を制作していく過程で、『子どもの声を入れたらどうだろう?』という話があったんです。凄く素敵な話だと思いました。そして、もし歌ってもらえるなら、東日本の子どもたちに歌ってほしいなと思い、それで現地のイベンターさんに協力してもらい、仙台の3つの合唱団に参加してもらったんです。中には、実際に家が流されてしまったり、自衛隊に救助された子がいたりして。「気持ちが落ち込む子もいたけど、今日こうして歌えることを楽しみに頑張ってきました」という先生の言葉に、一緒に歌うことができて心から良かったと思いました。

 実際の歌入れのとき、みんな最初は緊張してたんですけど、歌っていくうちに徐々に笑顔になっていって。本当にスマイルになれる曲になったのが嬉しかった。この『smile』は、笑顔って素敵なことなんだよ、っていうことを伝えるだけじゃなくて、歌うことで自然と笑顔になってしまう、そういう力もある曲なんだな〜ってあらためて感じました。皆とっても一生懸命歌ってくれました。素晴らしい歌声です。きっと聴いた人の心に勇気と力をくれると思います。

BACK